歳をとると風邪が治りにくい

先日、風邪を引いた友人に会った。まだ喉の調子が戻っていないらしく、カスカスの声で大真面目な話をするので、「おまえはもんたよしのりか」と突っ込みを入れると、友人は明らかに心外そうに抗議をしたが、もうもんたよしのり以外の何者にも見えない。私は散々大笑いして友人と別れた。

そしてその翌日。私は熱を出した。久しぶりの9度台、タイミング的にきっと友人の呪いか、もしくはもんたよしのりの呪いだろう。そう思った私は友人に電話して昨日の非礼を詫びた。友人は呆れながらも快く許してくれた。もんたよしのりにはどうやって詫びればいいのだろう。確かあの人は関西弁だったような気がするから、とりあえず関西方面に向かって手を合わせて心の中で謝罪する。これできっとよくなるだろう。

ところが翌日になっても翌々日になってもよくならない。そしてようやく私は、これは呪いなんかではなく、ただの風邪だということに気付いた。よく考えたら発熱した前日に風邪を引いた友人に会っているのだから、友人から移ったと考える方が自然なのだ。不覚だった。  
私は慌てて病院に行った。「なんでもっと早く来ないの」と初老の先生に怒られた。さらに、「そこまでこじらせると長引くよ。あんたもう若くないんだから」と畳みかけた。ただでさえつらいのに、年齢のことまで引き合いに出されてしまっては、もはやぐうの音も出ない。私は薬をもらってとぼとぼと家路についた。

先生の予言通り、真面目に薬を飲んでいたにも関わらず、私はそれから1週間以上も不調が続いた。一晩寝ればすっかりよくなっていた若い頃とは違うのだということを痛感した出来事であった。